割賦販売法とは、クレジットカードの利用に際し、健全な取引ができるように、またクレジットカード利用者(消費者)の利益保護を目的として定められたルールです。
そのため、クレジットカード会社に申し込みを行い、カードを発行してもらうには、いくつか決められたルールに基づくクレジットカード審査が必要になります。
また、クレジットカードの利用額や利用限度額は、申し込みをした方の支払可能見込額を算出した上で、その金額を超えない範囲内で利用限度額が設定されるようになります。
これらは、クレジットカードを利用する方の「カードの使い過ぎを防止」するため、「収入に合わせて無理なく返済」するために定められたルールとなり、これが割賦販売法です。
では、今後私たちがクレジットカードを作る時、利用する時には、いくらまで利用が可能なのでしょうか。また、無理なく支払いができる金額とは、どのように算出されるのでしょうか。
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目次
割賦販売法のルールとは?
割賦販売法では、各カード会社が申し込みの審査に際して、申込者の支払可能見込額を調査することを義務付けています。
また、各カード会社は、申込者の支払可能見込額を算出するため、クレジットカードの申し込みがあった場合には、信用情報機関に照会し、現在の利用状況を確認します。
そのため、たとえ申込者から「クレジットカードの利用枠を300万円にして欲しい」「カードの利用限度額を500万円に引き上げて欲しい」と希望があっても、支払可能見込額を超えるカード利用枠やカード限度額の設定はなされません。
あくまでも、支払可能見込額の範囲内でクレジットカードが発行される流れとなります。
支払可能見込額の算出とは?
支払可能見込額の算出は、「年収(収入)」「生活維持費(生活費)」「クレジット債務(リボ払いや分割払い等の利用有無)」によって算出されます。
年収について
原則として、年収は自己申告によって決まります。そのため、クレジットカードの申し込みを行う際に、カード会社側から収入を証明する書類(給料明細や確定申告書類など)の提出を求められることはありません。あくまでも、自己申告によって支払可能見込額を算出するようになります。
キャッシングの利用は収入証明書類が必要
ただし、クレジットカードの機能の1つとしてキャッシング枠がありますが、このキャッシング枠を利用できる設定にする場合には、収入を証明する書類が必要になる場合があります。
これは、通常のキャッシングと同様に、クレジットカードのキャッシング枠にも総量規制が適用されるためです。総量規制では、年収の3分の1までと決まっていますので、クレジットカードでキャッシングを利用する場合には、収入証明書類の提出が必要となる場合があります。
総量規制とは?総量規制対象外キャッシング・カードローンの利点
生活維持費(生活費)について
生活維持費(生活費)は、1年間にどれくらいの生活費を使うのかを、各世帯ごとに算出したものとなります。
そのため、一人暮らしの方と結婚して子供がいる方とでは、生活維持費の金額は異なります。また、持家なのか、賃貸なのかでも異なりますし、持家の場合には住宅ローンの返済があるかどうかによっても、生活維持費の金額が異なります。
持家で住宅ローンなし、又は持家なしで家賃負担なし
4人世帯以上:200万円
3人世帯:169万円
2人世帯:136万円
1人世帯:90万円
持家で住宅ローンあり、又は持家なしで家賃負担あり
4人世帯以上:240万円
3人世帯:209万円
2人世帯:177万円
1人世帯:116万円
※生活維持費の例(上記は東京23区の場合)
※生活維持費は地域によって異なります。
※地域によって上記金額の85%~100%の範囲で決められています。
クレジット債務について
クレジット債務は、クレジットカードの利用で、1年間にどれくらいの金額を利用しているのかを算出するものです。
たとえば、クレジットカードのリボ払いで、最低支払額として毎月2万円の支払いをしている方は、「2万円×12ヶ月=24万円」がクレジット債務の金額です。また、毎月の支払いが5万円という方なら、「5万円×12ヶ月=60万円」となりますので、クレジット債務は60万円となります。
ただし、クレジット債務はリボ払いや分割払い、ボーナス払い等を利用している場合となりますので、翌月1回払いのみを利用している方は、クレジット債務が0円となります。
支払可能見込額の算出方法
年収-生活維持費-クレジット債務=支払可能見込額
長くなりましたので、下記ページに続きます。
・支払可能見込額を算出後のクレジットカードの利用限度枠の決め方
・支払可能見込額の調査とは?クレジットカードを作る時の注意点