前回の続きです。
割賦販売法とは?クレジットカードの年間支払可能見込額とは
クレジットカードの利用枠や限度額は、支払可能見込額を算出し、その金額に0.9をかけたものが、実際にクレジットカードで利用可能な金額となります。
クレジットカードの利用可能額(利用限度額)
支払可能見込額×0.9=クレジットカードの利用枠
そこで、各クレジットカード会社では、支払可能見込額に0.9をかけた金額以上の利用枠は設定できないルールとなります。
またこれは、住宅のリフォームローンや自動車ローン、バイクローンなど、大きな買い物をする際に利用するローン(クレジットローン)も同様に、ローンを組む際に年間の支払い金額が、支払可能見込額に0.9をかけた金額以上になる場合には、ローンを組むことができなくなります。
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目次
クレジットカード利用可能額の例
現在の年収や他社のクレジットカードの利用状況によっては、希望したカード限度額では利用できない、ローン(クレジットローン)が組めない場合があります。
また、クレジットカード発行の際に、カード限度額が大幅に減額される場合やクレジットローンで利用できる金額が大幅に減額される場合もあります。
クレジットカードの増枠申請とは?増枠申請後にカード利用停止に?
年収400万円の会社員の利用可能額
性別:男性
年齢:38歳
職業:会社員
年収:400万円
家族構成:妻、子供1人(3人世帯)
住居:持家(住宅ローンあり)
クレジットカードの有無:3枚(リボ払いで毎月3万円の返済)
支払可能見込額
400万円-209万円-36万円=155万円
利用可能額の算出
155万円×0.9=139.5万円
Aさんがクレジットカードを申し込む場合、カード利用限度額は139.5万円以下の金額でクレジットカードが発行されるようになります。また、Aさんが住宅のリフォームや自動車ローンなど、大きな金額でローンを組む場合にも、先ほどの「139.5万円」が適用されます。
住宅リフォームで300万円のローンを組む場合
24回払い:年間の支払額150万円
※300万円÷24回=12.5万円、12.5万円×12ヶ月=150万円
36回払い:年間の支払額99.6万円
※300万円÷36回=8.3万円、8.3万円×12ヶ月=99.6万円
60回払い:年間の支払額60万円
※300万円÷60回=5万円、5万円×12ヶ月=60万円
Aさんが300万円のローンを組む場合、24回払いでは利用可能額を超えますので、仮にリフォームローンに申し込みをしても審査が通らず、リフォームローンを利用することができません。そのため、Aさんがローンを組むには、36回払い、48回払い、又は60回払いなどを利用し、1年間の支払い金額が139.5万円を超えないように申し込みをする必要があります。
年収280万円の会社員の利用可能額
性別:男性
年齢:25歳
職業:会社員
年収:280万円
家族構成:1人暮らし(1人世帯)
住居:賃貸(家賃の支払いあり)
クレジットカードの有無:3枚(リボ払いで毎月5万円の返済)
支払可能見込額
280万円-116万円-60万円=104万円
利用可能額の算出
104万円×0.9=93.6万円
Bさんがクレジットカードを申し込む場合、カード利用限度額は93.6万円以下の金額でクレジットカードが発行されるようになります。また、Bさんが自動車ローンや家具・家電のローンなど、大きな金額でローンを組む場合にも、先ほどの「93.6万円」が適用されます。
車を200万円の自動車ローンで購入する場合
24回払い:年間の支払額99.6万円
※200万円÷24回=8.3万円、8.3万円×12ヶ月=99.6万円
36回払い:年間の支払額67.2万円
※200万円÷36回=5.6万円、5.6万円×12ヶ月=67.2万円
60回払い:年間の支払額39.6万円
200万円÷60回=3.3万円、3.3万円×12ヶ月=39.6万円
Bさんが200万円の自動車ローンを組む場合、24回払いでは利用可能額を超えますので、仮に自動車ローンに申し込みをしても審査が通らず、自動車ローンを利用することができません。そのため、Bさんが自動車ローンを組むには、36回払い、48回払い、又は60回払いなどを利用し、1年間の支払い金額が93.6万円を超えないように申し込みをする必要があります。
カード申し込みで審査NGとなる理由は?
クレジットカードを利用する場合やクレジットローンを組む場合には、カード会社の審査を受けて、その審査に通らなければ利用することができません。また、カード会社の審査では、申込者の「支払可能見込額」の調査も行いますので、既に支払可能見込額を超えている場合には「審査NG」となります。
年収が下がると利用限度額も下がる
特に現在は、「不景気で給料が大幅に下がった」「転職してボーナスがなくなった」という方も多いのではないでしょうか。そうなると、「支払可能見込額」も大幅に下がりますので、さらにクレジットカードやローンなどが通りにくくなります。
しかもカード会社では、カード利用者の利用状況を、その都度確認・調査していますので、場合によってはクレジットカードの利用枠の減額やカードの利用停止となる可能性があります。